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概要
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- 高ピッチで速いランニングだが、ストライド幅はほぼ標準。
- 身体の上下動は、左脚の蹴りの時が高い特徴がある
- 理由は、左脚が離地する際の膝が右よりも伸びているため(左の着地時間も伸びている)
- 右膝の痛むため力を入れない(曲げない)ような動作となっている可能性が高いです。
(また、痛は取れてもクセとして固定される場合があります) - 一方、左右の脚の角度変化(振り方)プロファイルは良く似ている(見た目には左右差が少ない)。
- 上体はやや強めの前傾で、骨盤ドロップが少しあるが、身体の横揺れはかなり少なく、着地衝撃での膝のブレもなく、比較的はっきりした2軸走行。
- 着地動作は、直前に足が高い位置から下がる軌道でフラット着地、プロネーションも良、つま先も前方を向いている。
- 腕振りは、肘が体側より前方に大きく出て振り幅が大きい。
- 上腕は後方への引きは大きいが、背中側への周り込みがほとんど無いので(肘が横に広がったまま)、肩甲骨の内転が小さい。肩甲骨の動きが悪いと推定されます。
- 肩の回転は標準的で良。
- 腰の回転は他ランナーよりも大きめ(問題ある程度ではないが)
(肘が横に広がったままの腕振りは回転トルクが大きいので、肩を通して上体を回転させる力は強くなっていて、その分を腰の回転を大きくして補償している可能性がある。
主な指標から見たフォームの特徴
一般的指標 | コメント | 数値 | 参照 |
---|---|---|---|
スピード | PBの速度よりかなり速い 速度変化の特徴は読めなかった | 18.1km/h(3’19”/km) | speedグラフ |
ストライド mm (身長比%) | 標準 | 1302 ( 81.9% ) | ランナー比較 |
ピッチ 歩/分 | 多い | 232 | ランナー比較 |
身体上下動 mm (身長比%) | 左右差あり 左脚キック時が高い | 66 (4.2%) | 詳細は身体上下動 |
滞空時間(空走期間/1歩 %) | 標準 | 47.4 | ランナー比較 |
上体姿勢 | コメント | 数値・結果 | 備考 |
---|---|---|---|
上体の前傾 | やや強めの前傾 | 頭・胸・腹・腰 7・8・9・9 | アニメ参照 |
上体横揺れ | 小 | 偏り 0度 揺れ幅 1.5度 | |
骨盤ドロップ | ドロップあるが小さい (標準:男5°未満 女7°未満) | 3度 | 図 |
骨盤の回転 | 標準 | 11度 | |
肩の回転 | 標準 | 20度 | 図 |
肩と腰の回転
肩の回転
マラソンの他ランナー(0印)のほぼ中心値。
腰(Hip)の回転
腰の左右のマーカーが同等の動きをする場合のモデルとして求めた角度変位が、左着地の後半で実測とずれていた。これは、左脚が右脚より長く接地しているため、骨盤の動きもそれに引きずられて変化しているため。
他のマラソンランナーの腰の回転の中では最も振幅が大きい。
着地
コメント | 数値・結果 | 備考 | |
---|---|---|---|
着地足タイプ | 良 | 両足フラット | |
プロネーション | 良 | ニュートラル | |
着地時足向き | 良 | 前方 | |
膝の瞬間的なブレ | 良 | なし | |
GCT msec | 左右差あり (右膝の痛み起因か) | 左 150 右 122 | |
走法 | 2軸 |
脚の振り
脚の振り | 特徴や変化点 | 2024 | 備考 |
---|---|---|---|
大腿の前後振り 最大角 | 振り幅大きく 左右差無し | 前方:左 -53度 右 -54度 後方:左 26度 右 26度 | |
下腿の前後振り 最大角 | 左右差少 | 前方:左 -8度 右 -12度 後方:左 114度 右 112度 | |
接地時瞬間の角度 | 左右差ややあり | 膝 左 29度 右 35度 大腿 左 -33度 右 -29度 下腿 左 -3度 右 6度 | |
離地時の角度 | |||
着地中の膝屈曲ピーク角 | 左 49度 右 46度 | ||
大腿の回旋・内外転 | 前方で大腿がやや内旋(内転) | 前方内旋6度 | |
走法 | 2軸 |
大腿の前方振り上げ角(膝の上がり具合)
足の着地の際、足が上から空き缶を潰すような軌道を描いている。
大腿の前方振りの最大角は他ランナーと比較すると(図ではマイナス側ほど大きい角度)、標準的ではあるが、膝を十分高く上げられている。
大腿(左図)と下腿(右図)の角度変化
大腿と下腿の角度グラフの変化パターンから見ると、左右はほぼ重なっていて差は少ない。
次に示す膝の角度変化にして初めて差が見えてくる。
身体上下動の左右差と膝の屈曲角の特徴
頭(上体)上下動の変動(図の左)をみると、左脚の蹴りの時の方が右よりも高く跳ぶ特徴①が観察された。この原因は次の2点から説明される。
右図の膝の屈伸角度の変動をみると、着地期間に着地衝撃を緩和するために膝は一旦曲がり、極大値(Knee Flexing Peak)を経て、再び膝は伸展して足が離陸する。
その度合いが、赤線の左膝②で山谷が大きい。
さらに着地期間GCTは左側③が長い(左155msと右122ms)。
骨盤ドロップと身体の傾きと着地位置
腰のマーカーの測定①から、遊脚側に骨盤が傾く現象②が観測されています。
一般的には遊脚が下降すると上体が反対側に自然と傾く場合③が多いのですが、骨盤下降が3度と小さいためか、上体の横揺れ③はかなり少ない方です。
腕振り
特徴や変化点 | 数値・結果 | 備考 | |
---|---|---|---|
上腕の振り: (前方後方向) | 上腕が体側より前方 振り幅大 | 左:前 -20度 後65度 右:前 -20度 後70度 | アニメ |
前腕の振り (肘の曲げ角度) | 前方へ腕が伸びる | 左75度 96度 右57度 102度 | アニメ |
肘の横広がり | 横広げたままで固定化されてる | 左 30度 右 25度 | アニメ |
肘(上腕)の後方背中側への回り込み | 肩甲骨の動き(内転)小 | ほとんど無い | アニメ |
- 腕振りは、肘が体側より前方に大きく出て振り幅が大きい。
- 上腕は後方への引きは大きいが、背中側への周り込みがほとんど無いので(肘が横に広がったまま)、肩甲骨の内転が小さい。肩甲骨の動きが悪いと推定されます。