スピードは、ピッチ(回数/分) と ストライド(1歩の幅)の掛け算で表され、この3つの指標はランニングにおいては基本的なものとなります。ここでは、この3つの指標について、マラソン、中長距離、短距離・跳躍のランナーグループ毎の傾向を評価しました。
ピッチと速度の関係(図1)
- マラソン(市民)ランナーでは、走力が異なるランナーが多くデータのばらつきが多いものの、その相関曲線からピッチが200以下とそれ以降で特徴的な傾向がはっきりしてきました。
ピッチが少ない領域では、ピッチが増えるとスピードも上がる傾向があり、200を超えるとスピードが頭打ちになっています。 - 大学生の中長距離走選手では、選手の走力がある程度まとまっていますが、ピッチが200以上で頭打ちの傾向はマラソンと同じでした。しかし、ピッチはマラソンのグループと同じ領域なのに、スピードはマラソングループより速いところにありますが、これは大学生グループのストライドが皆広いためです。
- 短距離・跳躍のグループでは走力が異なる選手が多いためバラついてはいますが、男女で相関曲線の傾向が見える。女子はピッチと共にスピードが上がっていますが、男子はより高スピードですが、傾向が頭打ちとなっています。ピッチに関しては、女子も男子と同様の能力があるが、ストライドが(身長が低いためもあり)小さいことが推定されます。

図1 ピッチとスピード
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