マラソン中継でのフォームに対する素朴な疑問があった
私はランニングを習慣化し始めた最初の10年間ほど、ヒール着地が強く足音がペタペタ鳴っていました。そのフォームでは、地面の反発力を感じることも無く、足音の大きさも気になり、当時流行ったフォアフットにしようとやってみました。しかし上手くいかず故障直前になりました。また、前傾姿勢も試しましたが、とにかく疲れる。それ以外にも色々なドリルにも手を出し故障をしましたが、とにかく、フォームを修正したいと思っていました。
「何故上手くいかない、どうすればいいのか」という個人的な疑問から走り方を物理的に考えたり自分の身体を使った実験を繰り返しました。
そして、とうとう地面の反発力を感じられる様になりました。そのきっかけとなる実験的な走り方を紹介します。その結果、体重が腰に乗っかって走る感覚や、重心の真下に着地するという感覚も今でははっきり掴めて、フラット着地に自然に変化しました。
昔、前傾姿勢でないと前に進まないと言われていました(と言っていると勝手に思っていたのか?)。
でも、マラソン中継を見ていて、トップ集団ですら上半身が前傾してる選手も真っ直ぐ立ったままの選手も、同じスピードですっごい速さで走っています。
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自分は、はるかに遅い速度で走るのに・・・・、「前傾が大事だ」といろんな本や有名人が言う。
これがずうっと不思議でした。加えて、骨盤の前傾の話になると、一層混乱しました。
そこで、地面の反発力を得るとか上体を骨盤に乗せるとは走る為にどういう意味を持つのか、物理的な意味を考えてみました。
具体的な実験試走方法は最後に書いてあります。あくまで個人的な一手法ですが参考になれば幸いです。
高精度3D Motion Capture によるランニングフォーム分析
3D Animation by RealVisionSports
着地時の地面反発力のブレーキと加速
着地の姿勢がどの時に力が得られるのかを考えるため、まずは床反力の意味からみてみます。
着地期間中に地面から受ける反発力の水平方向の成分は、前半がブレーキで後半が加速となります。(テーマ分析:体の上下動と膝の屈曲、そしてブレーキと加速の関係)
図中のt1:ブレーキング期間
地面に接地した支持脚は地面からブレーキを受け、その減速の力で後方にある遊脚は片側支点の慣性物体のように、股関節を支点に前方に弧を描くように振られる。(言い回しが複雑になりました)
図中のt2:ブレーキから加速への切り替わる遷移点
遊脚の大腿が後方から支持脚に追いつき、両方の大腿が揃い、同じ角度に並ぶ瞬間。
図中のt3:地面を押して推進力をもらう加速期間
上体が前に進むので、3点を結ぶ線は自然に前傾が強くなります。そのため、この期間では地面を強く下後方に押せば、反動を使って遊脚をより前方に振り出す力や、体全体を斜め前方に送り出すことができます。実はt3期間では、それほど上半身の姿勢が前傾でなくても、力学的には全体の直線が前傾であるため、前に進む力は得られるということです。マラソンのレース中継で上半身の姿勢が立ったまま走ってるトップ選手が何人もいるのは、この理由だと思います。
但し力学的な効率で言うなら、
上半身、股関節、支持足の支点が一直線に並び、かためた脚と固めた上半身で地面を短時間で押す(接地時間を減らす)といい。
着地の後半は、踵が浮き上がってることもあり、力を意識し過ぎるとふくらはぎに疲労が溜まる走りになる。
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高精度3D Motion Capture によるランニングフォーム分析
3D Animation by RealVisionSports
地面の反発力を得る具体的な方法
地面の力をもらうには
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