2023-12

分析:テーマ編

マラソンにおけるピッチとストライドの傾向

陸上トラック競技の長距離選手が、駅伝やハーフやフルマラソンを走ることは多いので、フルマラソンにしても走り方の基本は、「省エネでより速いフォーム」という目指すところは一応同じと考えていいと思います。実際、本やメディアに登場するトレーナは、市民ランナーに向かって現役の陸上選手のようなフォームに暗に近づけようとする指摘で溢れています。体力も筋力も劣る(しかも多くの場合体重も重い、何より年齢が大分上)市民ランナーにとっての理想フォームが、若い現役の陸上選手と同じかどうかは一旦おいて、参考になる共通点もあるはず。そのヒントを探るために両者をおおまかに比較してみました。また、マラソン選手のトッププロの走りとも比較してみました。(このページで使用したグラフは、ここの<フォーム指標を他ランナーと比較する>のグラフで非会員でも試せます。興味持っていただければ会員登録(無料/有料)もお願いします) スピードとピッチ マラソンランナーで速いランナーはピッチも速くなる傾向ですが、20km/h当たりで、陸上長距離選手と同等のピッチに達して居ます。そして、陸上選手のグループは速度が速くても、ピッチは必ずしも上がっ...
分析:テーマ編

スピードと着地時間

着地のとき、足で地面を蹴って上方や前に進む推進力を得ていますが、地面との接地時間GCT(Ground Contact Time)は短い方が、大きな力を得られます。ここでは、種目を通して接地時間とピッチなどの関係を調べてみました。 Summary スピードが速い種目の方が、接地時間が短い傾向がある。 マラソンランナーの走力・スピードにばらつきがあるため、スピードと接地時間との関係性も幅を持つが、速度が速くなると接地時間は約140msec前後に収束する マラソンでは、 スピードと接地時間 グラフ1から、マラソン走から短距離走と速度が上がるに連れて、接地時間GCTは短くなっています。マラソンのグループとそれ以外では乗っている関係曲線は異なっています。 補足:マラソンが一般市民ランナー中心(一部プロ選手)のデータであるのに対し、短中長距離走は現役の大学陸上選手であり、走力がある程度の範囲にまとまっているため、グルーピングすることで集団差として出ている可能性も高い。現役プロのマラソン選手を多く評価してみたいところです。 マラソンはランナーのレベルに幅があるため、同じスピードでもGTCに幅がありま...
分析:テーマ編

ストライドとピッチがスピードに及ぼす影響

スピードはストライドとピッチの掛け算で決まります。そこで、実際にスピードをとストライドとピッチに分けて、その関係を短距離走からマラソンまでの異なる速さごとにグループ分けして調べてみました。その結果、下記のことがわかってきました。 マラソン走では、スピードが上がるときはストライドとピッチが共に増えていく。但し、個人差が大きい。 中長距離走では、多くのランナーが、ピッチは200超えたあたりで一定となり、速いランナーはストライドが広いことが主な理由であった。 短距離走では、ストライドとピッチ共に、中長距離走よりも高いレベルにあるが、両指標はトレードオフの関係にある。又、ピッチに男女差はなく、ストライドが女子では男子より短いことが男女の速度差となっている 今回得られた結果は、集団としての傾向ですので個人差を考慮していませんが、グループ内の分布の点ひつつひとつが選手個人であるため、特定の個人に着目してみると弱みと強みが定量的に明確化されます。特に、団体としての専用の分布グラフを作成すれば、選手個々にとってトレーニングの方向性が定量的に明確になります。この手法は、個人はもちろん競技団体の指導者にと...
分析:ランナー編

0-7-1-Ogur Mara.(PB 2:06) M Age29

7:Marathon Male Age 29 fullPB 2:06 Ogur トップレベルのマラソン選手のジョギングペースのフォーム。真下にフォア気味のフラット着地、着地時間が短く、滞空時間が長いので、地面の反発力が使えている。肘が後に良く振れて、全身が力みのない綺麗なフォーム。左脚の蹴りの方が右脚より大きいという左右差が見られる。 クリックで動画再生、停止は画像の外をクリック <注釈>撮影条件が標準と異なります。野外で手持ちカメラでランナーと並走して撮影した画像です。また、体に専用マーカも付いてないため、データの精度がやや落ちます。 速度1歩時間着地時間/1歩期間 1. 身体上下動 上下動は10cmと大きい着地での身体の沈みは、右脚着地の方が沈んでいる。 2. 速度 ランナーに並走して撮影した画像のため、速度の計測はできていない。着地の足と地面の動きから推測した速度で、一定値としている。ピッチが180なのに、ゆったりしたフォームとなっているのは、着地時間(GCT)が短く、滞空時間が長いため。 4. 左肩(頭基準)の上下動 左脚着地で左肩が下がるが、腕の前、後振りでそれほど肩が上がっ...
お知らせ

D0-7 マラソン選手 フルPB 2:06 男29歳

7:Marathon Male Age 29 fullPB 2:06 Ogur トップレベルのマラソン選手のジョギングペースのフォーム。真下にフォア気味のフラット着地、着地時間が短く、滞空時間が長いので、地面の反発力が使えている。肘が後に良く振れて、全身が力みのない綺麗なフォーム。左脚の蹴りの方が右脚より大きいという左右差が見られる。 クリックで動画再生、停止は画像の外をクリック <注釈>撮影条件が標準と異なります。野外で手持ちカメラでランナーと並走して撮影した画像です。また、体に専用マーカも付いてないため、データの精度がやや落ちます。 速度1歩時間着地時間/1歩期間 1. 身体上下動 上下動は10cmと大きい着地での身体の沈みは、右脚着地の方が沈んでいる。 2. 速度 ランナーに並走して撮影した画像のため、速度の計測はできていない。着地の足と地面の動きから推測した速度で、一定値としている。ピッチが180なのに、ゆったりしたフォームとなっているのは、着地時間(GCT)が短く、滞空時間が長いため。 4. 左肩(頭基準)の上下動 左脚着地で左肩が下がるが、腕の前、後振りでそれほど肩が上がっ...