
身体の上下動の要因3ー重力の影響
膝の屈伸と着地時間に重力も考慮 身体の上下動の大きいことの理由を膝の屈曲起因として調べると、必ずしもそれが主原因ではなかった(要因1)。また、走る速度が速いと上下動が小さくなる経験値から、時間に関係する要因を調べると、着地時間の長さと相関が見られた(要因2)。マラソンと中長距離グループだと、着地時間が長いと身体上下動が大きくなる傾向があるのに対し、短距離走グループでは、着地時間に依存しなかった(要因2)。 重力の影響の可能性 両足が空中にあるとき(空走期間)、短距離もマラソンも同じ重力で落下します。しかし、高ピッチだったり、着地時間が短いと重力で落下する時間は短いので、落下距離は当然短くなります。つまり、身体の上下動を正確に把握するには重力を考慮する必要がありました。 重力による自由落下とは 重力は、種目やランナーの体重によらず等しく作用するため、空走期間の身体の下降距離(自由落下)は重力加速度g(9.8m/s2)を使って計算できます(図1)。ランニングにおいて、着地時間は70から300msec程度で、下降する時間はその半分程度なので、自由落下は5mmから100mmぐらいになり、今検討...