着地時間

分析:テーマ編

身体の上下動の要因3ー脚のバネによる反発力

膝の屈伸と着地時間に重力も見える化したら、地面からの反発力が見えてきた 身体の上下動の大きいことの理由を膝の屈曲起因として調べると、必ずしもそれが主原因ではなかった(要因1)。また、走る速度が速いと上下動が小さくなる経験値から、時間に関係する要因を調べると、着地時間の長さと相関が見られた(要因2)。面白いのは、マラソンと中長距離グループだと、着地時間が長いと身体上下動が大きくなる傾向があるのに対し、短距離走グループでは、着地時間に依存しなかった(要因2)。そこから、今回は重力の影響を改めて見積もることで、身体の下降の仕方に特徴的なことが見えてきて、地面の反発力を使えるフォームかどうかを識別することができそうなことが見出せました。 関連記事もあります 要因1 膝の屈伸 要因2 着地時間 要因3 本記事先頭へ 重力の影響の可能性 両足が空中にあるとき(空走期間)、短距離もマラソンも同じ重力で落下します。しかし、高ピッチだったり、着地時間が短いと重力で落下する時間は短いので、落下距離は当然短くなります。つまり、身体の上下動を正確に把握するには重力を考慮する必要がありました。 重力による自由落...
分析:テーマ編

身体の上下動の要因2ー着地時間

走ると上下動するのは何故?という疑問 走ると身体が上下動しますが、マラソンなどでは特に上下動は少ない方が良いと言われます。でも、TV中継に映るトップのマラソンランナーでも、ケニア勢は上下動が大きい選手も多い気がする。短距離走ではストライドが無茶苦茶長いのに、上下動が少ない、ということも知ってます。 ところで、速く走るには、ピッチを多くするか、ストライドを長くすることしかないですよね。そして、ストライドを伸ばすには、長く空中を跳ばないといけないのでは、という疑問はありませんでしたか。例えば、こんなふうに。 「脚の長さは決まっている。ストライドを伸ばすんだから、空中に長く滞在しなけらばならない。だから、ある程度上に高く跳ばなければストライドは広げられない」「でも、速く走れるランナーを見ると、上下動は大きくないし、マラソンなどでは上下動は少ない方が良いと言うのも聞いたことがあるが、、、、」 すでにランニングに詳しい方なら確かな知見を持っているかも知れませんが、なかなか世の中にそこを語ってくれる人を見かけないし、実験データがあるだろうとは思いますが、そんなデータにたどり着くことができませんでし...
分析:テーマ編

身体の上下動の要因1ー 膝の屈曲

膝の曲げ過ぎると、身体の上下動は大きくなるのか? マラソンにおいて、「腰が落ちたフォーム」や、「高く跳ねるフォームは、前に進むエネルギーにならないから良くない」、と言われることがあります。 そもそも、腰が落ちてるってどんなフォームなの?じゃあ、どうすればそうならいの? 「着地で膝が大きく曲がるから、腰が落ちるんだ。だから、膝は曲げ過ぎないで。」「着地衝撃を地面からの反発力として使うためにも、膝はあまり曲げないで、着地は身体の真下に近いところにしてね」「膝を曲げて、脚の筋力で蹴って(ストライドを稼ごうと)高く飛ぶのは、筋肉疲労の原因となるよ」 などなど、身体の上下動と膝の曲がり具合に関して色々言われますが、本当はどうなのでしょうか。いろんなパラメータを検討した結果、膝の屈伸(本記事で述べる要因1)、着地時間(要因2)、身体の下降の仕方(要因3)に絞って検討した結果を紹介していきます。 技術論文調になって読みにくいですがお付き合いください(急ぐ方は本記事の最後尾のまとめを参照ください)。また、続編記事が2件あります。 本記事先頭へ 要因2 着地時間 要因 3重力落下 身体上下動と膝の屈伸角...
分析:テーマ編

スピードと着地時間

着地のとき、足で地面を蹴って上方や前に進む推進力を得ていますが、地面との接地時間GCT(Ground Contact Time)は短い方が、大きな力を得られます。ここでは、種目を通して接地時間とピッチなどの関係を調べてみました。 Summary スピードが速い種目の方が、接地時間が短い傾向がある。 マラソンランナーの走力・スピードにばらつきがあるため、スピードと接地時間との関係性も幅を持つが、速度が速くなると接地時間は約140msec前後に収束する マラソンでは、 スピードと接地時間 グラフ1から、マラソン走から短距離走と速度が上がるに連れて、接地時間GCTは短くなっています。マラソンのグループとそれ以外では乗っている関係曲線は異なっています。 補足:マラソンが一般市民ランナー中心(一部プロ選手)のデータであるのに対し、短中長距離走は現役の大学陸上選手であり、走力がある程度の範囲にまとまっているため、グルーピングすることで集団差として出ている可能性も高い。現役プロのマラソン選手を多く評価してみたいところです。 マラソンはランナーのレベルに幅があるため、同じスピードでもGTCに幅がありま...