ランニング時の身体の上下動の評価

走る時の上下動

上下動は大きい方でも幅10cm程度で、左右の脚による差はこの方の場合18mmです。ビデオではもちろんですが、アニメーションで見ても上下動の2cmの差はわかり難いですね。ですので、グラフでmmの単位でしっかりとチェックすることが重要になります。

 

 

上体の上下動グラフでランニングフォームの概略が把握できる

各地のマラソン大会に参加したり沿道から応援される方も大勢いると思います。みなさん見てると本当にいろんな走り方をしていますよね。手の振りや体のブレや顔の表情みなそれぞれですよね。その中でもランニング時の特徴の一つとして、身体の上下動があります。ぴょんぴょん跳ねるように走る方や、どすどすどすと走る方、トップ集団はなんと速くスムーズに力強く走ることか。時々見とれてしまいます。ですが、なかなかその印象が具体的にどのような動き方からくるものなのか分からないのではないでしょうか。

 

marathon

ここでは、一つの指標として上下動をグラフで見るとその人の走り方の大まかな特徴を捉えることができるので、それについて説明します。

ここでは、ビデオ画像から精確な3次元データにするため、画像の歪みや撮影の誤差を取り除いてmmの精度(絶対値というよりも相対的な動きの精度)に高めています。また、3次元アニメーションで表現することで、どの動きの時も真横から見たフォームとして素直に比較して見ることができます。

これらは、一般に行われているビデオや写真を使った説明では、殆どが斜めから見た写真しか存在しないので、走る動作を連続的に正しく誤解なく理解することが難しい原因になってます。そのため、私達の提供する3次元解析と3次元アニメーションでは、高精度と理解し易いという特長があります

 

では、早速グラフでランニング動作を見てみましょう。

ビデオ撮影では右から左へ走る様子を撮ることが多いので、アニメもグラフの表示も右から左に時間が変化しています。うねうねと山と谷がある線が上体(実際は耳の位置)の上下動の動きです。線の下の番号は、それぞれ下図の真横から見たフォームと対応していますので、じっくりと見て理解していただければと思います。

空走期間

グラフの右端から見て最初の山は両足が地面から浮いている空走期間です。山を過ぎて下降が始まり、左足が着地する直前の時刻1では、膝が伸びています。

着地前期(左脚)

時刻1直後に左足がかかとから着地して、膝が曲がりながら身体が下降し続けて体重の3倍以上の着地衝撃を吸収していきます(着地前期期間)。このとき同時に、反対の脚(遊脚)が後ろから前方に振り出されて来ますが、丁度着地した側(支持脚)を遊脚側の太腿(ふともも)が追い越す瞬間、つまり両方の太腿が並ぶ瞬間が(時間2)身体がもっとも低く(谷)なっています。

着地後期(左脚)

次に、遊脚(右脚)が膝が先導して前方に振り出されながらかかとが離れ(3)身体は上昇していき、やがてつま先も離れます(4)。

空走期(左脚)

左脚のジャンプにより上昇最高点(5)に到達したあと下降が始まり、右足着地直前(6)を迎えます。

running cycle

この後は、右脚着地の最下降点(7)を経て、右脚でジャンプして(8)(9)と推移し、又左脚着地直前1となります。これで左右脚の動作を合わせたランニングの1周期(running cycle)を構成しています。

以上ここまでが前置きでした。

これから肝心のこのデータからわかることをお伝えします。

上下動の大きさと走りの滑らかさ

一般にピョンピョンと跳ねるように走るランナーは、前進する力以外に上下方向にジャンプする分、余分に筋肉の力を使ってしまい、効率的な走りとは言えないと言われています。又、上下動が大きいと着地衝撃も大きくなるので、怪我のリスクの点からも小さい方が良いと思われます。ですので、絶対値としての高さは大事な指標になります。一般的には、走る速度にもよりますがが、6cmだととても効率的な滑らかな走りで、9cmの上下動は見た感じも跳ねているような印象を受けます。

今後、着地衝撃と上下動の高さのデータも蓄積していきたいと思っています。

 

ジャンプの脚左右差

先のグラフで、赤字でleft kick 63mm、 Right kick 83mmとあるのが、それぞれの脚でジャンプした時の最高到達点までの上昇値を表しています。左右とも同じバランスのとれた蹴り方であれば数mmの範囲で収まります。ですので、このランナーの方は、右脚の蹴りが20mm分も強いく、左脚が弱い。だから左を鍛えるべきだ・・・・、といいたいところですが、そうとは断言できません。

というのも、右脚の方が膝をより大きく曲げてクッションとして着地衝撃を吸収していてせっかくの反発力を消耗してしまい、一方左脚側は着地衝撃を地面からの反発力として上手く使っているとも言えます。ですので、左脚の動作に右脚は合わせる様にすれば、トータルとして上下動が63mmと非常に滑らかな上下動の走り方になるという解釈ができます。

これを明確にするため、現在左側のカメラ撮影だけのを右側の撮影もして着地時の膝の角度などを確認したいと思います。

また、左右差がその方の走るリズムにとって重要であることも往々にしてあるので、修正すべきかどうかは、全体のバランスや故障し易い側の脚との関係から判断すべきと思われます。

 

 

 

参考までに、3名のランナーのアニメーションムービーです。

Aさん 上下動が少なく、左右バランスもとても良い。

Aさん

Aさん

Bさん 上下動大きめで、左右差もある。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: lec_headelevation_OM.png

3人目のランナーは、上下動が大きめで足の左右差があります。

 

以上、如何でしたでしょうか。上下動からランナーの方が自分で理解できるフォームの特徴との紐付けをさらにやって、内容を追加して行きます。

内容に関して、ご意見感想などありましたらコメント欄残していただけると、今後の改善に活かしたいと思います。

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