3Dアニメーションを観て、自分のフォームを頭に3次元でイメージしていく

自分のフォームが分からない大きな理由に、ご自分の頭の中で3次元として動きをイメージできないことがあります。これは当然で、ほとんどの人は自分のフォームを3次元の動きとしてみたことはないはずです。

習熟したランニングトレーナーのように、頭の中で3次元の動きをイメージできれば、自分で自分のフォームのマネージメントができるようになります。それには、アニメーションを何度も観て、自分が走ったときの体の感覚と合わせてみてください。特に、他のランナーの動きと比較すると効果的に違いを学ぶことができます。

そこで、何千万円もする専門機材によるモーションキャプチャーの精度には及びませんが、弊社ではスマホで撮ったビデオから、この3Dアニメーションを作る技術を新規に開発しました(弊社特許出願中)。スマホなどの手軽なカメラの画像を使うので、これまでの特殊で高価なシステムに比べ、驚くほど低コストかつ撮影が手軽になり、一般のランナーに皆さんにご利用いただけるようになりました。

数字での動作解析

弊社ではフォーム動作を3次元の値として求めています。そのため、数字に基づいて、アニメーションを作るだけでなく、ランニングの特徴量をグラフや数字で提供します。また、写真も使い分かり易い評価レポートを提供しています。

ランニングフォーム評価事例

1人目 大竹さん (2.5hランナー)評価レポート

ランナーズの年齢別ランキング1位で、友人でもある大竹さんに評価に参加していただき、結果の公開にも快く応じていただきました。
2年前の評価で自覚されたフォームの問題を時間をかけて修正し、今回その成果を確認する機会でもありました。結果は、見事に期待した方向でフォーム改善に成功しています。
レポートを参照ください(別ページに飛びます)。

また今回のフォーム評価について、大竹さんのブログに詳細に自己分析を載せているので、そちらも合わせて是非チェックしてみてください。

2人目 Tさん(サブ3.5。トレラン女子年代別優勝)

余裕でサブ3.5、そして最近トレランで年代別優勝をされたTさんのフォーム動作解析も、ご好意で紹介のOKをもらいました。

Tさんはヒール着地ですが、ストライドも広くピッチが多い走りで、速さの割にとても安定した滑らかなフォームでした。非常に身体能力が高い方です。ご自身は、理想的なフォームとかの表現の「腰高」「腰に上体が載る」「地面からの反発を使う」ということが分からないと言っていました。これらは、ヒール着地では地面の反発を感じるタイミングがはっきりしないため、体感しにくいからだろうと考えています。
また、前述の大竹さんはフォアフット着地とTさんヒール着地で、走力も高いお二人なので、着地の違いを並べて比較してあり非常に興味深かったです。

ヒールとフォアの着地、気になる方も多いのではと思いますので、ここをクリックして是非レポートをみてください。

3人目 男子 藤原選手(100m 10.6秒の瞬足 大学生

3人目と4人目の選手で、初めて本格的な短距離の解析を行いました。
藤原さんは撮影時の速度も11.2秒と速く、きれいなフォームで、短距離と長距離の走り方の違いがとてもよくわかりました。
脚を後ろに蹴るのではなく(離地で膝を伸ばす動作がなく)、前方の地面を脚でかき寄せるような感じです。着地足が後ろで離地する際、膝を伸ばさずアキレス腱とふくらはぎの反発を使い跳躍し、引き脚を折り畳む動作が非常に早い。その折り畳んだ脚が前方に回転して行くのが、振り子の原理(短い紐は速く動く)通りで、なるほどなーと新たな発見でした。
藤原選手のアニメーションはこちら

4人目 女子 鈴木選手(100m 11.67秒の瞬足 大学生)

インターハイでその年の100m予選決勝含めると最も速い記録11.67秒を出し、決勝では惜しくも4位でしたが、とにかく最速女子の走りを解析しました。
非常に特徴のある走りで、アニメーションの再現が難しいと思われましたが、膝が外を向くのを、上脚の外旋モデリングを見直すことで、動作のフィッティングができました。その結果、全体的には力学的に理に適った動作であることも理解できました。
また、横振れの特徴に目を取られ気味ですが、実際には股関節可動域が広く滑らかに高速で動かせ、大きな脚の外振れを、上半身の強いひねりと腕振りを上手く使って、高回転・高速で走るのはすごいです。
鈴木選手のアニメーションはこちら

番外編 男性 阿部(フル 3H51 、UTMB46H完走、膝痛、63歳)

実は自分です。
久々に自分のフォームを解析しました。膝が痛いのでその影響が見たかったのですが、フォーム改造に取り組んだ途中経過として、変んな癖がついてるのを発見しました。
良かれと思った動作がやり過ぎでした。何かというと、骨盤の回転を意識し過ぎて、必要以上に回してしまい、振り出した前脚の膝が内側に入り、後ろ脚の膝が外向きと、結果的に上脚が外旋と内旋を過度にしたくねくねしたフォームになっていました。ストライドを伸ばす目的には余り効果を出せてなく、単なる回転運動でエネルギーを損失していました。
これは、自分でも新しい発見でした。骨盤を回すことを意識して走ると、実は疲れを感じていたので(弱いから鍛えようと続けていました)すが、以來やめて、自然に脚を前に出すように変更しました。そうすると、速度は特に落ちずに、腹筋や骨盤周りの疲労性の痛みの発生がほぼ無くなりました。
まあ、(恥ずかしいけど)みてください。

21人分のフォームを一気に観よう

子供達の全力疾走や(*)、大人のマラソンフォーム、そしてTVランニング番組のタレントランナーさんのトレッドミル上でのフォーム(TV画面越しにキャプチャーして3Dアニメーション)をアプリで連続して見れるようにしました。
人による走り方の違いが顕著にわかります。異なるランナーのフォームを同時に比較したい場合は、ページのウィンドウを2つ立ち上げて並べてみてください(いずれ、比較しやすい形にしていきます)

今回、子供達はプラスラン四ツ谷の陸上教室(*)に通っている小学生で、全力で走ってもらった様子となります。肉眼では分からなかったそれぞれの個性ある動きが、アニメーションで浮かび上がり、とっても興味深いものになりました。なお、子供たちの体型は個人差が大きく、体型が走りにも影響していましたが、今回は個々に体型の違いを再現せず、同じものを利用しています。

(*)四ツ谷の子供向け陸上教室(プラスラン四ツ谷)主催の刈田コーチとその子供たちの協力を得て撮影しました。
プラスラン四ツ谷では、アニメーションを使って子供たちが自分のフォームを理解する助けに使うために検討導入をしています。
都内で運動不足や駆けっこが速くなりたいというお子様をお持ちのご家庭の方は、是非プラスラン四ツ谷ホームページをチェックしてください。

下記のアプリもしくは全画面リンク先からアニメーションを一気に比較してみてください。 


まずは、「PLAY」で再生が始まります。
再生速度を「ゆっくり」「定位置」にしてしばらくじっとみてください。
次は、「PLAY軌跡」で足の回転の様子などがわかります。ランナー切り替えは各青いボタン。
軌跡描画モードで見たい場合、ランナーを変えたら「PLAY軌跡」を再度押してください。
2画面モードは横長なので、スマホを横にすれば画面に入ります。
「左画」「右画」で視点変更。

補足)サイトにアクセス直後はデータの読み込みに若干時間がかかります。
また細かい画像が多いのでパソコンやタブレットをお勧めします。