ランナー紹介:大竹さん(男性 50代 自己ベスト2時間33分 年齢別1位 )
アドバイザーとして今回もデータを公開させてもらいます。
45歳頃からマラソンを始めて、いきなりサブスリー。フォーム改善や練習法にも以降研鑽を積み、加齢にもかかわらず記録維持、更新をしています。
大竹さんのブログもカテゴリー別ではアクセスが度々Topになることもあって、中身の濃い内容になっています。今回は、この2年間でのフォームの変更についても取り上げているので、そちらもチェックしてみてください。他に、書籍「年齢に負けないマラソン練習法」も書かれており、中高年のランナーには参考書やリアル体験紀としてもいい内容です。
別途資料を貼り付けますが、とりあえず文字でエッセンス。
脚の左右差について
- Play軌跡と定位置の描画では、右と左のくるぶしの軌跡が少し異なっています。
- slowの再生をすると、上下動が右と左の着地キックで、頭の高さや全体のリズムが異なります。
着地と姿勢
- 以前よりも明らかに上体が前傾
- 着地も手前(以前よりもさらに)
- 遊脚側の骨盤が落ちる現象が見られませんでした。
1 上下動からわかること
19年に比べ’21年では左脚の動きが大幅に改善され、上下動も左右差も共に減少している。
・身体の上下動が2年前80mmから57mmに大きく減少
・左脚の沈み込みと蹴った後の上昇量もともに減った。
一方、右脚はあまり変わらない。
2 着地時の姿勢
着地期間中で上体が最も沈む時(図1 頭頂部の高さ推移)は、地面からの反発力を吸収して、次に反発に転ずるタイミングであるため、その時の姿勢は、反発力をうまく使うには重要と考える。
脚が着地するとき、地面との衝突から来る衝撃の一部は、膝が曲がることで衝撃を和らげている。
図2では、左足が着地したときの左膝の曲がる変化量が、右の場合に比べて少ないことがわかる。
(’19年のデータは別途)
そのタイミングでの姿勢を19年と21年で比較(写真1)すると、姿勢の改善がよくわかる。
19年は上体が立っているが、21年は前傾姿勢となり、克つ頭と骨盤(大転子)と足がほぼ一直線となっている。
そのため、地面の反発力を進行方向へ使うことができるようになっている。
補足:
足の着地を、「体の真下」とか、「重心の真下」にするという表現はあまりにも曖昧なので、力学的に意味のある上体の最下点というタイミングでの姿勢に着目し評価している。
着地時の骨盤の傾き
19年と21年を比較すると、ほとんど差がなく、着地側に腰が傾いています。
着地した脚(支持脚)の反対側が、着地時に遊脚は下がるのが一般的で、そのままだと重心が傾くので上体は反対側に傾いています。
アニメーションのモデルでは、この現象を取り入れている。フィッティングした結果、8度の傾きとして入れています。
フォアフット着地の時の足の様子
着地直前は足が地面に斜めのままで、足前方外側が最初に接地(#35 フォアフット)、続いて足首から折れるように地面に垂直になり、足底が地面に並行になる(#36)、その後もかかとはつくことなく(#37)、フォアフット着地の足形状を維持したまま離地していました。右足も全く同じでした。
足が内側に倒れ込むことはない(オーバープロネーションはない)
なお、足先は前方を向いている。
フォアフットとヒール着地の比較
フォアフットとヒール着地のフォームの差を2名の方で比較してみました。
両足が空中で滑走する①から③までは、右足の角度がほぼ同じですが、着地が近づく④から接地の⑦と⑧の期間で、下脚の動きにヒールとフォアフット着地のフォームの特徴の差が出ています。
(以下個人的な経験からの解釈です)
フォアフット着地(写真右側):
着地動作では膝を上げ続けて、膝下は脱力して(③と同じ膝の角度を維持したまま)空中を滑走して行く意識で走る。
その結果、着地位置が重心の下に近いのですぐに地面の反発力を感じられる。前傾姿勢を強めれば、より着地位置は手前にできると感じる。
ヒール着地(写真左側):
空走期間を全て使って足を限界まで前方に振り出すことで、ストライドを広くして距離を稼ぎたい。
着地瞬間の地面の反発が少なく、足首をうまく転がし、膝の屈伸で滑らかに移動するので、ヒール着地によってブレーキがかかっているとは体感してない。
今回は1年半ぶりのフォーム撮影でした。
前回2019年春は左右での上下動に差があるとのご指摘を頂いて、それまでは右足が弱いから右足をケガすると考えていたことが実は逆で、弱い左足の代わりに頑張る右足がケガするんだと気づきました。そして、それからは左足を鍛えて、2019年秋に2時間35分を初めて切ることができました。
新たな目標に向けた取組みとして、①前傾姿勢を強める、②着地を後ろに動かす、③足の蹴り出す方向を変えることに取り組んできました。①②は前への推進力を強めることを意識して、③は足の力を地面にしっかり伝えるため外に蹴るように取り組んできました。
①②は思った通りにできていましたが、③は骨盤の傾きの通り、着地した際に後ろに上がった足は特に左足が身体の内側。ここはもう少しだと分かりました。改めて意識して走ると自分の足りなさが分かりました。
僕はピッチ走法なので、短い時間でしっかり蹴ることを考えていました。
丁度、友人から身体が立っていると指摘され、前傾姿勢を注意するようになったのは年始のこと。
そして身体に対する着地を後ろにずらすと蹴りも強まり、ピッチも上がると考えて、取組んできました。
今のフォームでどこまでタイムを伸ばせるか?楽しみに取り組みたいと思います。